コンテンツ詳細
チシマヒカゲノカズラ
小型の常緑性シダ。高さは10 cm前後。匍匐性で、直立茎は斜上、3~4 回又状に分岐する。腹面、背面の葉は何れも茎に圧着する。胞子嚢穂は小枝に頂生、無柄である。胞子葉は広卵形で鋭尖頭。タカネヒカゲノカズラに酷似するが、小枝がやや平ら、葉は枝に4列に並び腹葉と背葉で形がやや異なる。本種と一変種ミヤマヒカゲノカズラとの関係、異同については、なお検討が必要とのことである。
1. 種の解説小型の常緑性シダ。高さは10 cm前後。匍匐性で、直立茎は斜上、3~4 回又状に分岐する。腹面、背面の葉は何れも茎に圧着する。胞子嚢穂は小枝に頂生、無柄である。胞子葉は広卵形で鋭尖頭。タカネヒカゲノカズラに酷似するが、小枝がやや平ら、葉は枝に4列に並び腹葉と背葉で形がやや異なる。本種と一変種ミヤマヒカゲノカズラとの関係、異同については、なお検討が必要とのことである。
2. 分布
国外では朝鮮半島、中国北部、ロシア、欧州、北米に、国内では北海道、本州(中部地方以東)に分布する。県内では中部(南アルプス)に分布する。
3. 生育環境
高山帯で、コケ類の生えている斜面や向陽の岩場に生育する。やや酸性の土壌に生ずると言われる。
4. 生育状況
南アルプスの赤石岳や千枚岳の記録(80年ほど前)があるが、近年では全く生育が確認されていない。
5. 減少の主要因と脅威
植生の遷移などによる環境変化、登山者による無意図的な踏みつけ(51)が脅威である。
6. 保護対策
生育地の綿密な再調査が必要。踏みつけによる影響を防ぐ対策が重要である。
(静岡県版レッドデータブックより)