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コブガタアリタケ
ムネアカオオアリなどのアリの成虫に寄生する冬虫夏草(昆虫・クモ・地下生菌などの寄生菌)。宿主のアリの首元に褐色でコブ状の子実体を形成する。子実体は、寄生されたアリが自身の顎で木の枝に噛みついている状態で発生する。子嚢胞子は太い糸状。二次菌糸には分裂しない。
1.種の解説ムネアカオオアリなどのアリの成虫に寄生する冬虫夏草(昆虫・クモ・地下生菌などの寄生菌)。宿主のアリの首元に褐色でコブ状の子実体を形成する。子実体は、寄生されたアリが自身の顎で木の枝に噛みついている状態で発生する。子嚢胞子は太い糸状。二次菌糸には分裂しない。
2.分布
国内では本州(青森県、広島県、長野県、福島県、静岡県など)に、県内では中部に分布する。
3.生育環境
冬虫夏草としては比較的湿度が低い亜高山帯の林内の枝に、宿主のアリが枝に噛みついて固定された状態で発生している。発生箇所では群生する。
4.生育状況
中部で確認されているが、発生場所は限られる。
5.減少の主要因と脅威
生育地が、道路建設や樹種転換など環境が変わるリスクにさらされやすい。
6.保護対策
亜高山帯での植生とそれに伴う宿主のアリの生息が本種に必須だと考えられるので、過度な伐採による環境の変化を避ける。
(静岡県版レッドデータブックより)
写真提供:特定非営利活動法人静岡県自然史博物館ネットワーク