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オオツガタケ

外生菌根菌。子実体は夏から秋に針葉樹林地表に発生。傘は大型。まんじゅう形から平らに開く。表面は平滑で粘性があり、きつね色から橙褐色。周辺に白色綿毛状の被膜の破片を付着することが多い。ひだは類白色のち黄土褐色でやや密。柄は中央で多少ふくらむ円柱形、白色、粘性はない。白色綿毛様菌糸に密に覆われるが、傘が開くとつばとなって柄の上部に付着する。担子胞子は紡錘形で微粒に覆われる。
1.種の解説
外生菌根菌。子実体は夏から秋に針葉樹林地表に発生。傘は大型。まんじゅう形から平らに開く。表面は平滑で粘性があり、きつね色から橙褐色。周辺に白色綿毛状の被膜の破片を付着することが多い。ひだは類白色のち黄土褐色でやや密。柄は中央で多少ふくらむ円柱形、白色、粘性はない。白色綿毛様菌糸に密に覆われるが、傘が開くとつばとなって柄の上部に付着する。担子胞子は紡錘形で微粒に覆われる。
2.分布
北半球中北部に分布する。国内では北海道、本州中部以北に、県内では東部、中部に分布する。
3.生育環境
県内では亜高山帯の天然林内で、コメツガなどと菌根共生して生育する。
4.生育状況
良好な生育地では、子実体は群生する。富士山のツガ属の林では古来同属のツガタケとともに多く産し、食用にされていたというが、現在、本種の発生は稀である。なお、県内ではツガ属の林に発生するマツタケもツガタケとよばれているが、それとは区別される。
5.減少の主要因と脅威
森林伐採による天然林の減少(11)に伴う宿主樹木の減少がある。また以前から食用採取が行われてきた富士山では、近年交通の便がよくなって亜高山帯まで入り易くなり、採取圧が高いこともあるが、採取のために林床の人の踏みつけが多く、生育環境に影響している可能性もある。
6.保護対策
環境変化を与える開発、伐採、林内の人の踏みつけなどを規制することが対策となる。
(静岡県版レッドデータブックより)
写真提供:岸澤広晶様