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ノレンコウモリ

前腕長37~43 mm、頭胴長44~55 mm、尾長38~48 mm、体重5~10 g。体毛は背面が明~灰褐色、腹面は白色。耳介は長く耳珠は9 mm以上。腿間膜後縁に細毛が列生していることが、その和名の由来となっている。日中のねぐらは主に洞穴を利用するが、家屋内や樹洞も利用する。主に林内や林縁で小型の飛翔昆虫や造網性のクモを食べる。再捕獲による生存記録は青森県で16年2カ月が知られている

1.種の解説
前腕長37~43 mm、頭胴長44~55 mm、尾長38~48 mm、体重5~10 g。体毛は背面が明~灰褐色、腹面は白色。耳介は長く耳珠は9 mm以上。腿間膜後縁に細毛が列生していることが、その和名の由来となっている。日中のねぐらは主に洞穴を利用するが、家屋内や樹洞も利用する。主に林内や林縁で小型の飛翔昆虫や造網性のクモを食べる。再捕獲による生存記録は青森県で16年2カ月が知られている
2.分布
国外では西ヨーロッパから東アジアに分布し、国内では北海道から鹿児島県にかけて局地的に知られる。県内では2007年に浜松市と川根本町の隧道で出産哺育集団が発見され、その後、静岡市葵区田代の標高2,000 m付近でも確認された。富士山では山梨県側で記録がある。
3.生息環境
常緑広葉樹林帯の隧道で、活動期及び越冬期ともに確認されている。越冬期は単独でいることが多かった。活動期は常緑針葉樹林帯の高標高地でも確認された。
4.生息状況
川根本町の隧道は2007年より出産哺育が確認され、年々集団を構成する個体数が増加している。越冬期は周辺の隧道で数個体ずつ確認されることがある。浜松市の出産哺育集団は2010年の大雨によるねぐら部分の崩壊により、隧道を利用しなくなった。
5.減少の主要因と脅威
2010年のねぐら崩壊により、2ヶ所あった出産哺育場所の一つが消失したことは、減少の主要因となることは明らかである。残った出産哺育場所も、隧道の改修や人や車両の通行による影響が直接的な脅威となる。さらに森林伐採や開発行為による餌昆虫類の減少も脅威である。
6.保護対策
家屋でも出産哺育を行うことから、コウモリ専用の小屋の建設が有効となる可能性がある。早急の課題としては出産哺育が確認されている唯一の隧道を保全し、周辺の隧道などを含めた継続調査の実施、さらに他地域での生息確認調査を行い、情報を収集する必要がある。
(静岡県版レッドデータブックより)

写真提供:特定非営利活動法人静岡県自然史博物館ネットワーク
写真提供:特定非営利活動法人静岡県自然史博物館ネットワーク