logo

コンテンツ詳細

モリアブラコウモリ

前腕長30~33 mm、頭胴長40~50 mm、尾長28~39 mm、体重5~9 g。皮膜は黒褐色で体毛は背面が濃い橙褐色。腹部は黄褐色。類似種のアブラコウモリとは本種の上顎犬歯が短く細く、後方の突起が大きいという点で異なる。陰茎骨は横から見て本種が直線状であるのに対し、アブラコウモリはS字状に湾曲している。日中のねぐらは樹洞や樹皮下を利用し、夜間、樹冠や河川上空で昆虫類を採餌する。

1.種の解説
前腕長30~33 mm、頭胴長40~50 mm、尾長28~39 mm、体重5~9 g。皮膜は黒褐色で体毛は背面が濃い橙褐色。腹部は黄褐色。類似種のアブラコウモリとは本種の上顎犬歯が短く細く、後方の突起が大きいという点で異なる。陰茎骨は横から見て本種が直線状であるのに対し、アブラコウモリはS字状に湾曲している。日中のねぐらは樹洞や樹皮下を利用し、夜間、樹冠や河川上空で昆虫類を採餌する。
2.分布
日本固有種で、本州及び四国に分布する。県内の記録は、2009年に静岡市葵区田代の標高2,000 m付近の林道で捕獲された1例のみである。
3.生息環境
天然林などに生息しており、ブナ、スギなどの樹洞をねぐらや出産哺育のためのコロニーの形成場所としていることが観察されている。また、東京都では春季に標高200 m前後のスギ・ヒノキ林で確認され、宮城県では越冬期に海岸近くの標高4 mの洞穴で確認されている。県内では確認記録が少ないため生息環境は不明だが、針葉樹広葉樹混交林などの自然林に生息していると考えられる。
4.生息状況
県内では南アルプスで1例が確認されているだけであるため、活動期及び越冬期の生息状況は不明である。
5.減少の主要因と脅威
2003年以前の調査では確認がないため、減少の主要因は不明である。隣接する長野県及び山梨県での近年の記録もない。自然林の伐採や開発行為によるねぐらの減少が主な脅威と推察される。
6.保護対策
本種における具体的な保護対策は知られていない。
(静岡県版レッドデータブックより)


写真提供:特定非営利活動法人静岡県自然史博物館ネットワーク
写真提供:特定非営利活動法人静岡県自然史博物館ネットワーク