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ニホンリス
頭胴長18~20 cm、尾長15~17 cm、体重210~310 g。夏毛の一部は赤褐色、冬毛は灰褐色になり、耳の先の毛が伸びる。腹は純白である。昼行性。樹上に木の枝や樹皮で、鳥のような球形の巣を作る。食性は種子、果実など植物食だが、昆虫や野鳥の卵なども食べる。春から夏に1~2回出産する。
1.種の解説
頭胴長18~20 cm、尾長15~17 cm、体重210~310 g。夏毛の一部は赤褐色、冬毛は灰褐色になり、耳の先の毛が伸びる。腹は純白である。昼行性。樹上に木の枝や樹皮で、鳥のような球形の巣を作る。食性は種子、果実など植物食だが、昆虫や野鳥の卵なども食べる。春から夏に1~2回出産する。
2.分布
日本固有種で、本州、四国に分布する。西日本には少なく、九州では1970年代以降確実な生息情報がない。県内ではアカマツ林の残る県立森林公園(浜松市浜北区)などの低地帯から、南アルプスのトウヒ林などの亜高山帯まで広く分布する。
3.生息環境
アカマツ(マツ属)やトウヒ(トウヒ属)は、枝が輪生(同じ高さから四方八方に伸びる)し、横方向に伸びる。本種にとって巣を設けやすく、隣り合う木の枝を伝って樹上の移動もしやすい。さらに、球果は食物となる。他の樹種での営巣や種子などの採食も行われるが、県立森林公園では、アカマツを好んで利用する行動が観察された。
4.生息状況
2003年以前、2004年以降ともに県内の低地帯から亜高山帯で生息が確認されている。
5.減少の主要因と脅威
かつては広く存在したマツ林がマツ材線虫病により減少した影響が大きい。マツ科の樹木が多い森林の減少は、本種にとって生息環境の悪化と考えられる。伊豆半島東海岸では、本種より大型のクリハラリスが野生化し、競合も危惧される。浜松市で野生化しているクリハラリスの分布拡大は本種の生息に影響するおそれがある。
6.保護対策
1994年以降狩猟鳥獣から除外されている。県立森林公園など一部のマツ林は薬剤散布などにより保全を図っている。
(静岡県版レッドデータブックより)
写真提供:特定非営利活動法人静岡県自然史博物館ネットワーク
写真提供:特定非営利活動法人静岡県自然史博物館ネットワーク