コンテンツ詳細
アオバズク
1.種の解説
全長約29 cm。雌雄同色。体上面は濃褐色、体下面は白色で濃褐色の粗い縦斑がある。頭に羽角はなく丸坊主風、顔盤があまり発達していない。虹彩は黄色。夏鳥として4月下旬から5月中旬頃に渡来し、10月頃に渡去する。ガ、コウチュウ、セミなどの昆虫類が主な餌で、小鳥やコウモリも食物とする。夜行性で、夕闇とともに、「ホッ ホッ 」と二声ずつ続けて鳴く。夏鳥(対象:繁殖地)。
2.分布
国外ではインド、東南アジア、中国南部、朝鮮半島、ウスリーに、国内では夏鳥として全国に分布する。県内では平野部から低山にかけての市街地周辺、里地、里山に分布する。
3.生息環境
平地から低山にかけての広葉樹林に生息する。
4.生息状況
社寺のクスノキなどの大木の樹洞を巣として利用する傾向が強い。繁殖には、毎年同じ樹洞を使う。繁殖後は、分散して里地・里山の広葉樹林に生息する。かつては、各地に生息し、フクロウとともに最もなじみのあるフクロウ類であった。近年では、生息数が極端に減り、鳴き声を聞くことも珍しくなってしまった。
5.減少の主要因と脅威
社寺の営巣できる樹洞のある大木は、以前と比べ大きく減少しているようには感じられないが、オシドリなどとともに河川に架かる橋梁を利用した繁殖例もあり、自然の営巣環境の悪化は否めない。里地・里山の荒廃による採餌環境の悪化の影響も大きいと思われる。全国的に減少しており、越冬地の開発に伴う環境破壊によるところも大きい。ネオニコチノイド系農薬の使用により、餌の昆虫類が減少していることも危惧される。
6.保護対策
社寺林や里山の大木を含んだ緑地を保護する必要がある。全国各地で、設置した巣箱による繁殖が確認されており、営巣が可能な林に巣箱をかけることも有効である。
(静岡県版レッドデータブックより)
.jpg)