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フクロウ
全長50 cmで頭が大きく顔盤の発達した大型の猛禽類。雌雄同色。頭部から体上面は灰褐色で、黒褐色の斑がある。胸から下の体下面は淡灰褐色で黒褐色の縦斑がある。灰褐色をした顔は、正面から見ると特徴的なハート形の淡灰褐色をした縁取りがある。夜行性で、餌はネズミ類が主であるが鳥類も捕食する。留鳥(対象:生息地)。
1.種の解説全長50 cmで頭が大きく顔盤の発達した大型の猛禽類。雌雄同色。頭部から体上面は灰褐色で、黒褐色の斑がある。胸から下の体下面は淡灰褐色で黒褐色の縦斑がある。灰褐色をした顔は、正面から見ると特徴的なハート形の淡灰褐色をした縁取りがある。夜行性で、餌はネズミ類が主であるが鳥類も捕食する。留鳥(対象:生息地)。
2.分布
国外ではユーラシア大陸の亜寒帯気候中央部にかけて帯状に広く留鳥として分布する。国内では北海道、南千島に亜種エゾフクロウ、本州北部に亜種フクロウ、本州北・中部に亜種モミヤマフクロウ、本州中・南西部、淡路島、四国、九州、伊豆諸島に亜種キュウシュウフクロウの4亜種が分布するとされる。亜種エゾフクロウ以外は分布域が明確ではなく今後の研究が待たれる。県内では平地から山地まで広域に分布する。
3.生息環境
平地から山地の、採餌環境を有するかあるいは隣接している、樹洞が出来るような大径木のある森林、社寺林などに生息する。街灯のある公園などでも見られることがある。
4.生息状況
全県的には大きな変動は見られない。
5.減少の主要因と脅威
平地部の里山林や社寺林を囲む道路で、轢死個体(ロードキル)の目撃が増えている。主な餌となるネズミの生息する草地環境の消滅・荒廃と森林伐採に伴う営巣環境のバランスの崩れ、生息地の分断化や、森林の施業放棄による生息環境の減少が脅威である。
6.保護対策
樹洞のできる大径木のある森林と餌場となる生物多様性豊かな環境を備え持った「生息域内保全」が望まれる。巣箱設置など営巣環境の整備、野鳥写真撮影愛好家による繁殖阻害などの撹乱も予想されることから生息地への立入り規制も有効である。
(静岡県版レッドデータブックより)