コンテンツ詳細
カジカガエル
体長はオスが3.3~4.5 cm、メスは4~8 cmでオスよりもメスの方が大きい。背面の体色は灰褐色や茶褐色でまだら模様に覆われ、腹面は白い。体は扁平で、すべての指先に吸盤があり、後肢のみに発達したみずかきをもつ。オスは4~7月の繁殖期に美しい声で鳴く。総卵数は200~600個。産卵は浅瀬の水中で行い、転石下に小さな卵塊として産む。幼生は水中の石の表面の藻類を削りとって食べる。幼生の頭胴部は長卵形で尾は細長く、筋肉が発達する。口器は大きい。
1.種の解説
体長はオスが3.3~4.5 cm、メスは4~8 cmでオスよりもメスの方が大きい。背面の体色は灰褐色や茶褐色でまだら模様に覆われ、腹面は白い。体は扁平で、すべての指先に吸盤があり、後肢のみに発達したみずかきをもつ。オスは4~7月の繁殖期に美しい声で鳴く。総卵数は200~600個。産卵は浅瀬の水中で行い、転石下に小さな卵塊として産む。幼生は水中の石の表面の藻類を削りとって食べる。幼生の頭胴部は長卵形で尾は細長く、筋肉が発達する。口器は大きい。
2.分布
日本固有種で、本州、四国、九州に分布する。県内では富士山周辺と天竜川以西を除き広く分布する。
3.生息環境
山地の川幅が広い河川や渓流に生息する。川底や川岸に石が多く、水面から石や岩が多く露出する清流を好む。日中は森林内の樹洞や岩の隙間などに潜み、日没後、河川周辺で活動し小昆虫類を捕食する。そのため河川と森林との連続性を必要とする。
4.生息状況
狩野川、富士川、安倍川、大井川、天竜川水系などの大規模河川や小規模河川の中・上流域に生息する。
5.減少の主要因と脅威
河川改修、ダム建設による繁殖環境の消失、生活排水など水質汚染による生息環境の悪化、近年分布域を拡大している特定外来生物のアライグマによる捕食が懸念される。また、静岡県特有の問題として、茶、みかんの栽培が平地から山地まで広い範囲で行われているため、農薬や過剰施肥に伴う水質悪化が危惧される。そのほか現在、大井川上流ではリニア中央新幹線建設による大規模工事が行われており、水量減少による生息環境の悪化が危惧される。
6.保護対策
特別な保護対策はとられていない。
(静岡県版レッドデータブックより)

写真提供:特定非営利活動法人静岡県自然史博物館ネットワーク
写真提供:特定非営利活動法人静岡県自然史博物館ネットワーク