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アマゴ(サツキマス)
サケ科魚類のヤマメO.masouの亜種。河川残留個体では体側中央に小判型のパーマークを7~9個もつ。その上方に大きな黒色斑紋をもつ個体もある。体側には小さな朱点があり、ヤマメとの区別点とされる。河川での成長の程度に依存するが、1~2年を河川で過ごした後、一部の個体は11~12月に降海し、4~5月にサツキマスとして溯上する。
1.種の解説
サケ科魚類のヤマメO.masouの亜種。河川残留個体では体側中央に小判型のパーマークを7~9個もつ。その上方に大きな黒色斑紋をもつ個体もある。体側には小さな朱点があり、ヤマメとの区別点とされる。河川での成長の程度に依存するが、1~2年を河川で過ごした後、一部の個体は11~12月に降海し、4~5月にサツキマスとして溯上する。
2.分布
日本固有亜種で、本州の神奈川県酒匂川以西の太平洋側、瀬戸内海、四国、九州の大分県まで分布する。県内では、小河川を除きほぼ全域の河川でみられる。都田川など本来は生息していなかった河川にも移殖され定着している。
3.生息環境
夏の水温が20℃を超えないような冷水域に生息する。河川改修や土砂流入によって河床に砂礫が堆積し河床の変化の乏しくなった流域や、河畔林が消滅している流域の生息数は少なく、成長も遅い。
4.生息状況
中規模以上の水系の本支川の上流域に生息する。上流側の分布限界は、伊豆半島では標高600 m付近、本州側では1,000 m付近と考えられる。
5.減少の主要因と脅威
山地渓流域での利水、砂防、ダム建設によって垂直的な連続性が絶たれ、稚魚期や出水時の流下とその再溯上、繁殖のための移動、海との通し回遊が阻害されている。さらに、他産地の個体が移殖され、遺伝的な攪乱が生じている。
6.保護対策
一部の河川で禁漁区間が設定されているが、他に特別な保護対策はとられていない。
(静岡県版レッドデータブックより)

写真提供:特定非営利活動法人静岡県自然史博物館ネットワーク
写真提供:特定非営利活動法人静岡県自然史博物館ネットワーク