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オオイチモンジ

開張90~100 mm。表面は黒褐色の地に白条を持ち、後翅の縁と白条の間に橙色帯をもつ。幼虫の食餌植物はドロノキ、ヤマナラシ。幼虫で越冬。成虫は年1回6月下旬から発生し、8月中旬まで見られる。食樹の梢近くを飛翔し、時に渓流沿いの湿った地面におりて吸水し、動物の糞などでも吸汁する。
1.種の解説
開張90~100 mm。表面は黒褐色の地に白条を持ち、後翅の縁と白条の間に橙色帯をもつ。幼虫の食餌植物はドロノキ、ヤマナラシ。幼虫で越冬。成虫は年1回6月下旬から発生し、8月中旬まで見られる。食樹の梢近くを飛翔し、時に渓流沿いの湿った地面におりて吸水し、動物の糞などでも吸汁する。
2.分布
国外では朝鮮半島、中国北東部よりヨーロッパまでユーラシア大陸の北部に広く、国内では北海道には比較的広く分布するが、本州では関東北部山地と中部地方の亜高山帯に分布する。県内では大井川の最上流部にのみわずかな記録がある。
3.生息環境
ドロノキが生育する標高1,300~2,000 mの渓流沿いが生息地となる。
4.生息状況
1970年代まではわずかに採集記録があるが、それ以後目撃情報はあっても、県内ではここ40年ほど確実な採集記録はない。
5.減少の主要因と脅威
現在本州においては長野県と岐阜県の一部にのみ生息が確認されている。台風などによる出水でドロノキ林が流失するような被害、林道の整備などの環境変化が減少の原因と考えられるが、長野県、岐阜県では採集圧も懸念される。
6.保護対策
特にこの種の保護のための対策はとられていない。ドロノキの林と落葉広葉樹林を残すことが必要である。
(静岡県版レッドデータブックより)
写真提供:特定非営利活動法人静岡県自然史博物館ネットワーク