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フタスジチョウ

開張およそ50 mm。表面は黒褐色の地色に白い帯が2筋あり、これが和名の由来となっている。裏面は地色がチョコレート色となる。幼虫の食餌植物はシモツケ、アイズシモツケ(バラ科)。幼虫で越冬。年1回の発生で、6月中旬から発生し8月中旬まで見られる。林縁や灌木上を緩やかに飛翔し、クガイソウなどの花で吸蜜するほか、動物の糞などでも吸汁する。
1.種の解説
開張およそ50 mm。表面は黒褐色の地色に白い帯が2筋あり、これが和名の由来となっている。裏面は地色がチョコレート色となる。幼虫の食餌植物はシモツケ、アイズシモツケ(バラ科)。幼虫で越冬。年1回の発生で、6月中旬から発生し8月中旬まで見られる。林縁や灌木上を緩やかに飛翔し、クガイソウなどの花で吸蜜するほか、動物の糞などでも吸汁する。
2.分布
国外では朝鮮半島、ロシア南東部、中国、モンゴル、ヨーロッパなどに、国内では北海道、本州中部以北に分布する。県内では小山町富士山須走口登山道、静岡市葵区大井川上流及び安倍川源流、川根本町南赤石林道から記録があり、北遠地方からの記録はない。
3.生息環境
垂直分布は標高およそ1,000~1,600 mに生息する、亜高山性の種である。食草のある林縁や草原のほか、林道法面などでも見られる。
4.生息状況
小山町の富士山須走で1997年と2000年に、川根本町南赤石林道では1992年に記録されたが、それ以降確認されない。静岡市葵区大井川源流域には1950年代から各地で多くの個体が記録されているが、2000年以降個体数は激減している。
5.減少の主要因と脅威
道路法面や灌木を交えた草地が、植生遷移やニホンジカの食害を受けて、食草となるシモツケやアイズシモツケに加えて訪花植物などが減少したためと考えられる。
6.保護対策
ニホンジカの食害から食草や訪花植物を守るため、ニホンジカの個体数を減少させる対策が望まれる。
(静岡県版レッドデータブックより)
写真提供:特定非営利活動法人静岡県自然史博物館ネットワーク