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ウラクロシジミ
開張およそ35 mm。オスの表面は一面真珠色、メスは外側が広く黒褐色で内側は灰白色をしている。裏面はオスメスとも地色は明黒褐色で後翅にW型の白線がある。幼虫の食餌植物はマンサク。卵で越冬。年1回標高の低い地域では6月、高い地域では7月に発生する。夕方活発に飛翔する。
1.種の解説開張およそ35 mm。オスの表面は一面真珠色、メスは外側が広く黒褐色で内側は灰白色をしている。裏面はオスメスとも地色は明黒褐色で後翅にW型の白線がある。幼虫の食餌植物はマンサク。卵で越冬。年1回標高の低い地域では6月、高い地域では7月に発生する。夕方活発に飛翔する。
2.分布
国外では台湾、中国西部に、国内では北海道南部、本州、四国、九州に局地的に分布している。県内では大井川の中・上流部、浜松市(旧引佐町、旧天竜市)から記録が多く、天竜区水窪町や龍山町でも採集されている。富士山周辺や伊豆半島からは記録がない。
3.生息環境
標高およそ700~1,400 mの山地の渓谷が主な発生地であるが、浜松市北区から天竜区にまたがる渋川・枯山地区のように低山にも見られる。
4.生息状況
2000年代の初めまでは大井川の上流部や引佐町に生息していたが、県内各地で食樹のマンサクが樹病により大量に枯死し、その影響が本種にも及び、最近の10年間はごくわずかな記録しかない。
5.減少の主要因と脅威
県内で食樹のマンサクが樹病により枯死したため本種の生息に大きく影響している。マンサクの更新は進んでいない。
6.保護対策
特になし。
(静岡県版レッドデータブックより)

写真提供:特定非営利活動法人静岡県自然史博物館ネットワーク