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ホシミスジ
開張50 mm。翅の表は黒、裏は明るい茶色の地色に白い帯と点が並ぶ。幼虫の食餌植物はシモツケとユキヤナギ。幼虫で越冬。成虫は年1回、6~7月に発生し8月まで見られる。最近、天竜川中流から、年に2回発生していると推測される個体群が見つかっている。
1.種の解説開張50 mm。翅の表は黒、裏は明るい茶色の地色に白い帯と点が並ぶ。幼虫の食餌植物はシモツケとユキヤナギ。幼虫で越冬。成虫は年1回、6~7月に発生し8月まで見られる。最近、天竜川中流から、年に2回発生していると推測される個体群が見つかっている。
2.分布
国外では朝鮮半島、中国東北部、台湾などに、国内では本州、四国、九州に分布する。県内では富士山麓に広く分布し、静岡市梅ヶ島など中部の一部、西部では旧引佐町周辺の蛇紋岩地帯、佐久間ダムなど天竜川沿いに記録がある。
近畿地方や四国では、ユキヤナギなど栽培植物を利用して分布を拡大している。
3.生息環境
食草のシモツケ類が自生する雑木林の林縁や、灌木を交えた草原が生息地となる。
4.生息状況
富士山周辺では、草原環境の減少によりやや減少傾向とみられるが、まだ安定して生息しているとみてよい。中部では安倍川上流域に記録があるが最近は全く見ることができない。一方、西部の旧引佐町を中心とする蛇紋岩地帯の産地では1990年代以降記録がなく、絶滅した可能性が高いが、佐久間ダム周辺には現在でも細々と生息している。
5.減少の主要因と脅威
富士山麓では遷移の進行により疎林や草原環境が縮小し、個体数は減少傾向である。本県西部から愛知県東部にかけての蛇紋岩地帯では、遷移の進行や新東名高速道路の建設などにより産地が失われた。
6.保護対策
特になし。
(静岡県版レッドデータブックより)