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フジミドリシジミ

開張およそ35 mm。オスの表面は灰色を帯びた銀緑色で、メスは一様に褐色。幼虫の食餌植物はブナ、イヌブナに限られる。卵で越冬。成虫は年1回、6月下旬に発生し、メスは8月まで生き残る。ほかのミドリシジミ類の占有行動とは異なり、ブナなどの大木の上部をあまり止まることがなくゆっくりと飛翔する。湿った道路面におりて吸水するほか、ヒメジョオンなどの花で吸蜜することもある。
1.種の解説
開張およそ35 mm。オスの表面は灰色を帯びた銀緑色で、メスは一様に褐色。幼虫の食餌植物はブナ、イヌブナに限られる。卵で越冬。成虫は年1回、6月下旬に発生し、メスは8月まで生き残る。ほかのミドリシジミ類の占有行動とは異なり、ブナなどの大木の上部をあまり止まることがなくゆっくりと飛翔する。湿った道路面におりて吸水するほか、ヒメジョオンなどの花で吸蜜することもある。
2.分布
日本固有種で、北海道南部、本州、四国、九州に分布する。県内では個体数は少ないが、伊豆半島、富士山、大井川上流域、天竜川中流域の山地に広く分布している。
3.生息環境
標高およそ1,000~1,700 mのイヌブナやブナを主体とする極相に近い落葉広葉樹林に生息する。
4.生息状況
県内のブナやイヌブナの大木を主体とする落葉広葉樹林に広く生息している。天城山塊には比較的個体数は多いが、富士山ではあまり個体数は多くない。大井川上流、天竜川中流域では個体数はさほど多くないものの1,000 m以上の山地に広く生息している。
5.減少の主要因と脅威
現在は際立った減少傾向はみられないが、開発などによるブナやイヌブナを主体とした落葉広葉樹林の伐採が脅威となる。
6.保護対策
樹齢の高いブナやイヌブナを主体とした落葉広葉樹林の存続が不可欠である。
(静岡県版レッドデータブックより)
写真提供:特定非営利活動法人静岡県自然史博物館ネットワーク
写真提供:特定非営利活動法人静岡県自然史博物館ネットワーク