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ヤマトキバサナギガイ

山地に生息する微小な陸貝。殻高1.5 mm、殻径1 mmの卵形。殻は薄い藁色で螺層はふくれる。図鑑での表示に間違いがあったことにより、近似種のキバサナギガイと入れ代わって認識されることが多かった(福田,2010;和田ら,2015)。キバサナギガイは殻がより細く、殻口の歯状突起が小さく、殻がより赤みを帯びる。
1.種の解説
山地に生息する微小な陸貝。殻高1.5 mm、殻径1 mmの卵形。殻は薄い藁色で螺層はふくれる。図鑑での表示に間違いがあったことにより、近似種のキバサナギガイと入れ代わって認識されることが多かった(福田,2010;和田ら,2015)。キバサナギガイは殻がより細く、殻口の歯状突起が小さく、殻がより赤みを帯びる。
2.分布
日本固有種で、本州、九州に分布する。県内では下田市、松崎町、静岡市(2ヶ所)、浜松市(3ヶ所)で確認されている。
3.生息環境
主に山地で見つかっているが、下田市では海岸の岩場で確認されている。また、浜松市の3ヶ所は石灰岩地であるが、それ以外は非石灰岩地である。非石灰岩地では岩場や礫地で確認されている。
4.生息状況
いずれの産地でも個体数は少なく、特に非石灰岩地ではきわめて少ない。生息地はそれぞれ環境条件が異なるが、いずれも自然度が高い好条件の場所に限られる。静岡市の産地では、最初の確認の後、再確認ができていない。
5.減少の主要因と脅威
石灰岩地の産地はきわめて狭い範囲である。また、非石灰岩地の産地は、いずれも岩場や礫地などの不安定な狭い環境にある上に各産地とも個体数が少ないため、それぞれの産地で絶滅の危機にある。
6.保護対策
特になし。
(静岡県版レッドデータブックより)
写真提供:加藤徹様