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マイマイ属の一種

山地に生息する大型の陸貝。静岡県レッドデータブック(2004)ではクロイワマイマイとされていた種であるが、生殖器の構造などから別の未記載種と考えられるようになった。殻高は23 mm、殻径43 mm程度で、殻は濃い褐色を呈し、1234型の色帯がある。色帯は第1帯と第3帯は色が薄く、第2帯は細い。粗い成長脈があり、それに沿った不規則な黄色い模様が現れる。螺塔は低く周縁は丸い。臍孔は広く開く。軟体は黒褐色で雲状模様がある。
1.種の解説
山地に生息する大型の陸貝。静岡県レッドデータブック(2004)ではクロイワマイマイとされていた種であるが、生殖器の構造などから別の未記載種と考えられるようになった。殻高は23 mm、殻径43 mm程度で、殻は濃い褐色を呈し、1234型の色帯がある。色帯は第1帯と第3帯は色が薄く、第2帯は細い。粗い成長脈があり、それに沿った不規則な黄色い模様が現れる。螺塔は低く周縁は丸い。臍孔は広く開く。軟体は黒褐色で雲状模様がある。
2.分布
日本固有種で、静岡と愛知、長野の3県の県境周辺に分布し、県内では浜松市の標高1,000 mを超える山地にのみ分布する。
3.生息環境
温帯の広葉樹林に生息する。ブナやオオイタヤメイゲツなどを主とする天然林の林床に生息する。
4.生息状況
良好な自然環境が残った広葉樹林にのみ生息するが、個体数は少なく、近年では生貝を見ることはきわめて困難である。
5.減少の主要因と脅威
天然林の伐採による生息環境の悪化が減少の主要因である。浜松市天竜区水窪町の産地ではかつて広大な広葉樹林が広がっていたが、1990年代までにほとんどヒノキとカラマツの植林地となってしまい、現在では尾根筋にわずかに生息が確認される広葉樹林が残されているにすぎない。
6.保護対策
特になし。
(静岡県版レッドデータブックより)
写真提供:加藤徹様