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アケボノユウレイグモ

体長雌雄2.0 mm程度である。背甲は円形で暗黄色、頭部は胸部よりやや高い。オスの上顎の中央には親指状の突起がある。同科の他の属は主に8眼であるのに対し、本属は6眼で左右に3眼ずつ2群をなすのが特徴で、本種の後中眼は黒色である。腹部は卵形で灰黄色である。オス触肢跗節の鉤状突起は淡褐色で、先端部に長い刺を有する。歩脚は淡黄色である。
1.種の解説
体長雌雄2.0 mm程度である。背甲は円形で暗黄色、頭部は胸部よりやや高い。オスの上顎の中央には親指状の突起がある。同科の他の属は主に8眼であるのに対し、本属は6眼で左右に3眼ずつ2群をなすのが特徴で、本種の後中眼は黒色である。腹部は卵形で灰黄色である。オス触肢跗節の鉤状突起は淡褐色で、先端部に長い刺を有する。歩脚は淡黄色である。
2.分布
日本固有種で、本州、九州に分布する。県内では東部、中部、西部に分布する。
3.生息環境
渓流沿いの湿った崖地や岩の間などの薄暗いところに生息し、古い家屋の隅や古木の間隙などの暗い所でも確認される。他のユウレイグモと違い、洞内での生息は少ないようである。
4.生息状況
県内に広く分布するが、どの生息地も生息密度は低いようである。
5.減少の主要因と脅威
本種の特殊な生息環境、その生態を考えた際、小規模であっても開発による環境の変化を大きく受け、減少につながると考えられる。また、住宅の近代化(生息場所となる薄暗い隙間のない住居)などもこの種の減少の脅威となってきたと考えられる。
6.保護対策
本種は、分布は広いが生息密度は低く、他の種に比べ絶滅への保護がしづらい状況であるといえる。生息環境の保全はもちろんであるが、同様の環境の調査により詳しい生息状況の把握が先決であるといえる。
(静岡県版レッドデータブックより)