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聖岳
日本アルプス最南端の3千m峰。日本百名山に選定されている。標高3,013m。東に延びる尾根は奥聖岳(2,978.7m)に続き、更に椹島ロッジまで続く東尾根が伸びる。奥聖岳の西側には雪田群落が広がり、湿性環境を好むチングルマやアオノツガザクラなどが生育している。シカの食害がほぼ全域で確認されている南アルプスにおいて、聖岳山頂周辺はシカの食害をあまり受けていない数少ない箇所の一つ。
聖岳の名前の由来は、南東に延びる聖沢が肘を曲げたような形で、「肘折る」が転化したとする説や日出ル岳が転化した説など諸説ある。
【登山】
〇静岡県ルート 2泊3日以上 ※熟練者向け
夏季臨時駐車場(畑薙第一ダム手前)もしくは沼平ゲートから椹島ロッジ等の宿泊者向け送迎バスを利用して椹島までの入山が一般的。沼平ゲートから徒歩での入山は片道6時間程要する。聖岳登山口から聖平小屋まではコースタイムで7時間程度を要する。基本的に樹林下での登山が続くが、岩頭滝見台と呼ばれる箇所では天気が良ければ聖岳を望むことも可能。聖平小屋まで水場は豊富。聖平小屋(要予約)から聖岳までは3時間程。小聖岳(標高2,662m)手前から森林限界を抜け眺望が広がる。安全に取水可能な湧水は無いため、小屋で十分な水を確保のこと。
〇長野県ルート 2泊3日以上 ※熟練者向け
2022年現在 長野県飯田市遠山川沿いの柴沢ゲートまで車で通行可能。そこから、徒歩2時間程で登山口である便ヶ島に到着。登山タクシーや聖光小屋宿泊者用の送迎での移動も可能。便ヶ島から西沢渡まで(約45分)は旧森林鉄道の線路跡を移動。西沢は流量が多いため沢の渡渉は避け野猿(手動ロープウェイ)での移動が安全(ただし、中々重い)。西沢渡から使用されていない造林小屋脇を通り薊畑まで急登が4~5時間程続く。薊畑から聖平小屋までは約30分。西沢渡から小屋までは水場が無いため要注意。