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塩見岳
南アルプスの中央に位置する。西峰(3,047.3m)と東峰(3,052m)の二つの峰からなる南アルプスでは珍しい岩稜の峰。日本百名山に選定されている。山頂の東斜面にはシナノキンバイやハクサンイチゲを主体とした南アルプス屈指のお花畑がかつては広がっていたが、現在はシカの食害を受けほぼ消失している。主要な入山ルートとなっている三伏峠にはシシウドやシナノキンバイを主体とする比較的規模の大きなお花畑(高茎草本群落)があり、シカの食害から高山植物を守るため静岡県と一般協力者との協働で維持管理されている防鹿柵が設置されている。
【登山】
〇長野県ルート 2泊3日以上
大鹿村(長野県下伊那郡)から鳥倉林道のゲートから4時間ほどで三伏峠小屋がある三伏峠に到着。そこから塩見岳までは往復9時間程を要するため三伏峠小屋もしくは山頂近くの塩見小屋に泊まるのが一般的。鳥倉林道は駐車スペースが限られているため時期によってはタクシーを使っての入山が便利。塩見小屋から山頂にかけては岩稜地帯を通過するため、安全のため落石を発生させないよう十分な注意が必要。
〇静岡県側ルート 3泊4日以上 ※かなりの熟練者向け/幕営必須
椹島ロッジから東俣林道を徒歩で2時間半程進むと二軒小屋(2022年時 休業中)に到着する。そこから30分程、田代ダム脇を通り東俣に進むと蝙蝠(コウモリ)岳の登山口が見えてくる。余談だが、田代ダムには人造の三日月湖が存在し、この湖面は時折コバルトブルーに染まり非常に美しい。登山口から蝙蝠岳山頂までは7時間程を要するロングルートであり、山小屋が無く水場も途中1か所(徳右衛門岳近く)しかないため、一般の登山者が訪れることはほぼ無い。しかしながら、蝙蝠岳の稜線はその名前のとおり蝙蝠の羽を広げたように長大で、遮るものも少なく眺望が非常に良い。塩見岳との主稜線部は危険な個所もあるため、通行には注意が必要。