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大井川と江戸時代の林業
南アルプスの森林は人の手が入っていない印象があるが、実際は稜線部近くまで多くの場所で林業が行われてきた。古くは、日本書紀に寄れば、仁天皇(4世紀末~5世紀前半)の時代に舟を造るために大井川の大樹を伐採したとの記載がある。
その後、江戸時代に入り原生林の伐採は本格化し、駿府城や、江戸城築城、浅間神社のために以下のとおり多くの木材が伐採された記録がある。
慶長9年(1614年) 寸又川上流から25,000本◆
元和4年(1618年) 寸又川(逆川出会い付近)◆
元和9年(1623年) 大間集落民有林で6,000本◆
寛永10年に(1633年)黒法師、日向沢、上西川、閑蔵から50,000本◆
寛永13年(1616年) 浅間神社用材として60,000本◆
寛永16年(1619年) 江戸城本丸築城のため広河原、下西河内、日向沢、大間で12,000本◆
正保元年(1644年) 東海道六合橋建造のため5,000本◆
正保3年(1646年) 江戸深川御用木として黒法師、日向沢、黒松沢、所ノ沢などから30,000本◆
万治元年(1658年) 江戸城本丸用とし寸又樽沢、釜ノ口、樋造河内、板沢河内、上西河内、下西河内などJから12,000本◆
元禄11年(1698年) 紀伊国屋文左衛門により34万本など◆
参考文献 「大井川 安部川流域の林業」(昭和4年 静岡県発行)