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サンコウチョウ
オスは全長約45cm、メスは約18cm。オスは頭、胸が黒紫色で背は褐色、腹は白い。中央の尾羽は黒色で著しく長く、成熟したものは30cmを超える。メスは頭と胸は黒色から暗灰色、背と尾は褐色で尾は特に長くはない。雄雌共にさえずる。「ツキ(月)・ヒ(日)・ホシ(星)・ホィホィホィ」と聞きなされて三光鳥の名の由来となっている。最後の「ホィ」音の繰り返しは3回が普通であるが、もっと多いものもおり、静岡市清水区の丘陵部でいつも24回繰り返す個体がいた。餌は主にハエ類、アブ類、トンボ類など飛ぶ昆虫である。夏鳥(対象:繁殖地)。
1.種の解説
オスは全長約45cm、メスは約18cm。オスは頭、胸が黒紫色で背は褐色、腹は白い。中央の尾羽は黒色で著しく長く、成熟したものは30cmを超える。メスは頭と胸は黒色から暗灰色、背と尾は褐色で尾は特に長くはない。雄雌共にさえずる。「ツキ(月)・ヒ(日)・ホシ(星)・ホィホィホィ」と聞きなされて三光鳥の名の由来となっている。最後の「ホィ」音の繰り返しは3回が普通であるが、もっと多いものもおり、静岡市清水区の丘陵部でいつも24回繰り返す個体がいた。餌は主にハエ類、アブ類、トンボ類など飛ぶ昆虫である。夏鳥(対象:繁殖地)。
2.分布
国外では韓国、台湾、フィリピンなどで繁殖し、国内では夏鳥として本州以南に渡来し、インドシナ半島からスマトラなどで越冬するようである。県内では西部から中部にふつうに分布しているが、東部、伊豆はかなり少ない。
3.生息環境
平地から低山帯のスギ・ヒノキの植林、落葉広葉樹林、針広混交林に生息する。中でも沢が流れている環境を特に好む。
4.生息状況
平地から低山帯に広く生息する。かつて新東名路線による影響が心配されていた。今回2016~17にこの一帯を含めて精査したところ、道路ができた部分はのぞき、全体として安定した生息状況であった。
袋井市に長年複数ペアが生息する場所があった。しかし、環境に大きな変化はないのに、突然2016年及び17年に各複数回の調査を行ったが、姿が見られなくなった。理由は分からない。一方、御前崎市ではエネルギー革命以後樹木の伐採が行なわれることがなくなった結果、それまでいなかった本種が生息するようになり、今回の調査でも生息を確認している(宮本勝海氏私信)。生息地の標高については、今回の調査で最も低いのは磐田市の15 m、最も高いのは大井川上流の800 mであった。
5.減少の主要因と脅威
生息状況は「安定している」と前項に記したが、新たに心配される事態が生じている。東海地震などとそれに伴う沿岸部の津波予測が出されて以後、沿岸部から丘陵部へ移る企業が増えている。例えば、その1社の移転先には1メッシュ内に10羽以上と県内で最も生息密度の高い場所があり、さらに同メッシュ内には地方自治体の清掃工場の計画も進められている。このような大規模工場などの移転・新設に伴い、本種の好適生息地が造成されて消滅する事態(23、24)が各地で生じていることは脅威である。
6.保護対策
サンコウチョウが多く生息するような環境はミゾゴイやヤイロチョウなどの生息適地でもある。県及び地方自治体の環境影響評価審査会などが適切に機能することが望まれる。
オスは全長約45cm、メスは約18cm。オスは頭、胸が黒紫色で背は褐色、腹は白い。中央の尾羽は黒色で著しく長く、成熟したものは30cmを超える。メスは頭と胸は黒色から暗灰色、背と尾は褐色で尾は特に長くはない。雄雌共にさえずる。「ツキ(月)・ヒ(日)・ホシ(星)・ホィホィホィ」と聞きなされて三光鳥の名の由来となっている。最後の「ホィ」音の繰り返しは3回が普通であるが、もっと多いものもおり、静岡市清水区の丘陵部でいつも24回繰り返す個体がいた。餌は主にハエ類、アブ類、トンボ類など飛ぶ昆虫である。夏鳥(対象:繁殖地)。
2.分布
国外では韓国、台湾、フィリピンなどで繁殖し、国内では夏鳥として本州以南に渡来し、インドシナ半島からスマトラなどで越冬するようである。県内では西部から中部にふつうに分布しているが、東部、伊豆はかなり少ない。
3.生息環境
平地から低山帯のスギ・ヒノキの植林、落葉広葉樹林、針広混交林に生息する。中でも沢が流れている環境を特に好む。
4.生息状況
平地から低山帯に広く生息する。かつて新東名路線による影響が心配されていた。今回2016~17にこの一帯を含めて精査したところ、道路ができた部分はのぞき、全体として安定した生息状況であった。
袋井市に長年複数ペアが生息する場所があった。しかし、環境に大きな変化はないのに、突然2016年及び17年に各複数回の調査を行ったが、姿が見られなくなった。理由は分からない。一方、御前崎市ではエネルギー革命以後樹木の伐採が行なわれることがなくなった結果、それまでいなかった本種が生息するようになり、今回の調査でも生息を確認している(宮本勝海氏私信)。生息地の標高については、今回の調査で最も低いのは磐田市の15 m、最も高いのは大井川上流の800 mであった。
5.減少の主要因と脅威
生息状況は「安定している」と前項に記したが、新たに心配される事態が生じている。東海地震などとそれに伴う沿岸部の津波予測が出されて以後、沿岸部から丘陵部へ移る企業が増えている。例えば、その1社の移転先には1メッシュ内に10羽以上と県内で最も生息密度の高い場所があり、さらに同メッシュ内には地方自治体の清掃工場の計画も進められている。このような大規模工場などの移転・新設に伴い、本種の好適生息地が造成されて消滅する事態(23、24)が各地で生じていることは脅威である。
6.保護対策
サンコウチョウが多く生息するような環境はミゾゴイやヤイロチョウなどの生息適地でもある。県及び地方自治体の環境影響評価審査会などが適切に機能することが望まれる。
(静岡県版レッドデータブックより)