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コイワザクラ
多年草。高さ5~10 cm。葉は数個を束生し、葉身は円形で径3~7 cm、基部は心形で縁は不規則に浅裂し、鋸歯は鈍く両面に軟毛がある。花期は5月。花は1~5個を散形につける。萼は長さ6~8 mm、5中裂して先端に硬点がある。花は紫紅色。花冠は高杯形で5中裂して、径1.8~2.5 cm。蒴果は長楕円形で0.7~1.2 cm。近縁種のクモイコザクラは、葉が浅裂して鋸歯が尖る。
1. 種の解説多年草。高さ5~10 cm。葉は数個を束生し、葉身は円形で径3~7 cm、基部は心形で縁は不規則に浅裂し、鋸歯は鈍く両面に軟毛がある。花期は5月。花は1~5個を散形につける。萼は長さ6~8 mm、5中裂して先端に硬点がある。花は紫紅色。花冠は高杯形で5中裂して、径1.8~2.5 cm。蒴果は長楕円形で0.7~1.2 cm。近縁種のクモイコザクラは、葉が浅裂して鋸歯が尖る。
2. 分布
日本固有変種で、本州(関東地方西南部、中部地方南部、紀伊半島)に分布する。県内では中部、東部に分布する。
3. 生育環境
温帯上部に生育する。山地の少し明るい川岸や滝の付近で、飛沫を浴びるような湿った岩場に生育する。
4. 生育状況
産地は東部と南アルプスに点在する。産量は多いが開花株は少ない。個体の多くは採取困難な場所に生育している。
5. 減少の主要因と脅威
園芸採取が主要因である。岩地の崩壊による消失も脅威である。
6. 保護対策
生育地の保護と園芸採取を防ぐために、産地情報を公表する際には、慎重な配慮が必要である。
(静岡県版レッドデータブックより)
写真提供:特定非営利活動法人静岡県自然史博物館ネットワーク